現在、楽しくちゅうりっぷ組に通っている有美重は、私の四人目の子供です。満3歳になった11月13日に正式入園し、早くも4ヶ月になろうとしています。
私が有美重を授かったことに気付いたのは、小三の長女が年長組になり、就学するのを機にそろそろ仕事に復帰するつもりで、面接ほかの問い合わせを始めた頃のことでした。
私は助産婦です。第1子を妊娠中、切迫流早産で長期入院のあと退院とともに退職をしました。子供の小さい間は子育てに専念しよう、そうすることが助産婦としての糧ともなり、育児だけでなく育自につながる充電期間にしようと考えたからです。
3年5ヶ月の間に三人を出産し、100%母乳育児をしました。長男、次男は友人助産婦の介助のもと病院で夫の立ち会い分娩をし、長女は助産院での出産でしたが、夫は単身赴任中であった為不在で、3歳だった長男を保育園バスに乗せた後に陣痛が始まり、2歳の次男がお産に立ち会いました。上の子供達三人のお産もそれぞれが本当にドラマティックでありましたが、ここでは触れずに割愛したいと思います。
私が有美重の妊娠を知って真っ先に嬉しかったことは、今度こそ自宅で、家族全員が見守る温かさの中で、こだわりを持った自分らしい満足なお産をする可能性をもらえたということでした。
三人目から6年経ての妊娠期間中は、義母との死別や切迫早産の入院ほか、もう語り尽くせぬ紆余曲折がありましたが、結果良ければすべて良し、、、。
主人の41歳の誕生日である11月12日の夕方から、ゆるやかな子宮収縮を感じ、長男、次男を介助してくれた友人助産婦、実家の母(実は母も助産婦です。)、主人の会社に連絡をして、、、私は自宅でお産するための準備をしつつ、、、陣痛は、まるで皆がすっかり集まる時を待っているかのようにゆったりとしていました。
もうすぐ新しい家族を迎えるかと思うと、興奮さめやらない子供達でしたが、「深夜になりそうだから 少しでも休もう、必ず起こすから。」と約束して、母にも少し休んでもらいました。
主人は遅い晩ご飯を食べながら、夫・友人助産婦と私(とおなかの有美重)で、これまでのお産やいろいろ振り返りながら、ゆっくりとくつろぎの時を持ちました。二人目、三人目のお産は、即分娩室入院という急速なお産だっただけに、今回の自宅でのゆったりと満ち足りて過ごす時間は、ほんとうに信じられないような不思議な感覚でした。
そうこう過ごしているうち本格的な陣痛となり、まず母と当時年長さんだった長女を呼び、(女の子だから特に共有してほしいと思いました。)しばらくして長男、次男を起こしました。
陣痛の合間合間には、聴診器でみんな代わる代わるに、心音を聴きます。おなかの中で頑張って生まれようとしてくれる有美重の心音を、子供達と「元気だ!元気だー!」と確認しながら、ゆっくりゆっくり、その時を待ちます。そろりそろりと生まれてこれるよう私も頑張ります。
今も、その時の子供達のパッチリと大きく見開いた真剣な眼差しは忘れられません。
そうして早朝、自宅にて、夫・長男・次男・長女・母・友人助産婦と、みんなが見守る中、真っ赤な顔をして「おぎゃ~!」とたくましい産声をあげてくれた有美重ちゃん、ありがとう。応援してくれたみんな、ありがとう。すべてのものに感謝!感謝!でいっぱいの、この上なく幸せに満ち満ちた温かい空間をみんなで共有することができたのです。
さて、主人は”血”という類のものが全くダメな人なのですが、それでも私の希望をかなえてくれ、長男の時から出産に立ち会ってくれました。でも今回は、さらに難関だろうと思える母子をつないでいる”お臍の切断”という課題をお願いしていました。
最後まで「そんな恐ろしいことは絶対にようせん~!」といってた彼でしたが、子供達にも「お父さん、お父さん!」とせがまれ、いざ!清水の舞台から飛び降りる覚悟で母子の分離役をやり遂げてくれたのです。私は内心、きっと無理だろうから、その時は自分が切断しようと思っていたものですから、主人にも感激!ほんとうに大きなありがとう!でした。
生まれてすぐに おっぱいも上手に吸ってくれる有美重を、みんなで代わる代わる抱っこして、小さな手足を握って、かわいいほっぺに頬ずりして、、、きれいな胎盤も見せてもらい、みんなで記念写真を撮ったり、、、なんともこの上なく幸せを味わう、ゆったりとした自宅でのお産でした。
有美重という天使がこれまでのすべての凹凸を埋め尽くし、家族全体の絆を深めてくれ、また今後のすべてのことをいい方向に導いていってくれるかのように感じたひとときでもありました。
有美重ちゃん、生まれてきてくれて本当にありがとう!この感謝の気持ちを胸に刻みながら愛しんで育てていきたいと思いましたし、このことがさらに私の助産婦という仕事への意識を高めてくれています。
そんな有美重がもう満3歳。幼稚園が大好きで、お友達が大好きで、毎日が楽しくて仕方がない様子で、お歌や手遊び、ダンスやお話しをいっぱいしてくれます。そんな姿を見るにつけ、より愛おしくギュ~ッと抱きしめたくなるのです。
有美重が満2歳になるころから、インターネットによる相談コーナー”助産婦さんおしえて掲示板” で、アドヴァイザー助産婦を担当(http://www.premama.jp/dbs/q/syokai.html)するようになったのですが、現在は、幼稚園入園とともに出張開業届けを出し、新生児訪問や母乳相談ほか地域活動、妊産婦さんのための整体・カイロプラクティック技術の習得やセミナー世話役など、助産婦活動の幅を少しずつ拡げつつあります。
私がのびのびのお迎えに間に合わない時は、卒園生である長女がお迎え役を気持ちよく 行き受けてくれますし、いい子に育ってくれているな、私はとても恵まれているな、と感じます。
次男の時からお世話になっている園ですから、その方針も良く理解しているつもりですし、素敵な先生方に可愛がられて、有美重がのびのび楽しみながら充実して過ごしている姿を見るからこそ、安心して仕事ができ、毎日、感謝!の気持ちで過ごしています。
これからも人と人との心の絆を大切にしつつ、あるがままの姿をそのまま認めながら、愛情を持って育児&育自をしていきたいと思います。
最後に、こんな風に振り返る機会を与えてくださった園長先生、ありがとうございました。