股関節の亜脱臼と妊娠・出産について(妊娠9週)

先天性の股関節亜脱臼と子供の頃に診断されましたが、発見時すでに5歳になっていたのと、手術を要するほどではないということで特に何もせずに成人しました。運動もできましたしあぐらもかけるのですが、仰向けに寝るのは苦手です。以前は仰向けになると亜脱臼のほうの股関節が「ボキッ」と音を立てることもよくありました。しかし日常生活にはこれまで支障をきたしていなかったのです。
しかし、妊娠がわかる少し前から痛みを感じるようになりました。はっきりと痛みがあるのは初めてのことです。最初はベッドから起きあがる時などに少し痛いくらいだったのが、だんだん痛みが強くなり、今では痛くて寝返りを打てないこともあるほどになってしまいました。先日の健診で内診を受けたときも、台から一人で起きあがれなくなってしまい看護婦さんに起こしてもらいました。
まだ妊娠9週なのですが、今後おなかが大きくなることを思うと今からとても心配です。

助産師のChicchiです。
今回の場合は、5歳になるまで気付かなかったということですし、先天性股関節脱臼のなかでも、程度の軽いほうの「臼蓋形成不全 」~「股関節亜脱臼 」の範囲だったのだろうと思われます。
これまで日常生活に支障がなかったということですし、妊娠生活を送ることに関して、それほど心配することはないかと思います。
今後、いつ頃、どういう痛みや症状、異常が出てくるかの問題は、かなり個人的なしかも整形外科的な部分が多く、これからの妊娠経過とその状態に応じて、様子を見ながらとしかいえません。
現在の運動能力や体力ほか、股関節周囲の筋肉の状態も 実際にはわかりませんし、具体的に、どんな筋力トレ―ニングやストレッチのメニューがよいのか、についてもお話することは大変難しいです。

一応、担当医には伝えてあり、様子を見てひどくなるようなら整形外科へ、ということになっていますが、この先どういうことが考えられるのか、またどういう努力をすればいいのかわかりません。よろしくお願いいたします。

やはり、担当の産科医のいわれるように、状況を見ながら、X 線写真もとり、整形外科的な視点からの助言が必要になってくると思われます。

また、子供の頃すでに「これは将来お産が大変ですね」と言われているので、分娩についても気がかりです。

お産については、最終的な方法としては帝王切開が考えられます。もし脚が十分に開けなくても、仮に骨盤が狭くても、妊娠中、育んできた大切な赤ちゃんを安全に産むということが、帝王切開することにより可能です。
ごめんなさい。心配な気持ちをかえって強くさせてしまったかもしれませんね。これは、あくまでも最終手段の話で、手術を何度か繰り返したり、両足のつりあいが取れず”は行”があるというような場合に適用になる可能性があるということです。
実は、私の姉は幼い頃、先天性股関節脱臼といわれ、遠い大学病院に何度も通院をし、リーメンビューゲルを装着しての治療や、牽引治療などしていました。当時は布オムツですし、さらにすぐ上に姉もいたので、母からとても大変だったと聞いています。
現在は、日常生活には支障のない状態の姉ですが、その姉も何の問題もなく、自然分娩でしっかり3人産んでいますよ。しかも安産過ぎるくらいの分娩経過で。”案ずるより、産むが易し。”ということでしょうか。
ただ、努力目標としては、
●太らないこと、
●過度なスポーツや重労働をしない、
ということは大切だと思います。
もし積極的にされたいのであれば、安定期に入ってから妊婦水泳などにより、股関節周囲の筋肉を増強させるという方法など、良いのではないでしょうか?
水中では体重による負担の少ない状態になり、足に水の抵抗という負荷が自然にかかります。お風呂でのストレッチも良いと思います。股関節に無理をかけないように気をつけながら、水の力を利用して行なわれてはどうでしょうか。